マナーの基本事典 冠婚葬祭のすべて 

日本の行事における様々なしきたりについての疑問を解決するマナーの基本事典

結婚式のご祝儀の相場や表書き・贈る時期・品物選びのタブー・のしの書き方など。

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現代のお祝い事情

本来、結婚のお祝いは品物を贈る習慣がありましたが現代では、特に披露宴に出席する場合は、結婚する当人たちが自由に使える現金をご祝儀として贈るのが一般的になっています。

また、結婚祝いは挙式前に、新郎もしくは新婦の家に届けるのが正式なマナーでしたが、これに関しても現代ではご祝儀として披露宴当日に持参するのが一般的となっています。

新郎新婦にごく親しい人や媒酌人などで、格式を重んじたい場合は挙式の一週間前までに、吉日の午前中に直接届けます。

お祝いは招待状を受け取ってから贈る

お祝いは披露宴に招待されるかどうかでも内容が違ってきますので、、招待状を受け取ってから考えるようにしましょう。

招待される前にお祝いを渡してしまうと、招待を催促しているようにも受け取れますので注意しましょう。

披露宴に招待されなかった場合

披露宴に招待はされていないけど、お祝いを贈りたいと言う場合は、相手に余計な気を使わせないよう、式が終わって結婚の報告を受けてから「御結婚御祝」として贈るとよいでしょう。

  金額の目安一覧

友人・知人 2万~3万円
勤務先の同僚 2万~3万円
勤務先の上司 3万~5万円
勤務先の部下 2万円~3万円
取引先関係 3万円
兄弟姉妹 5万~10万円
おじ・おば 5万~10万円
いとこ 3万~5万円
上記以外の親戚 3万~5万円
その他 3万円

お札は新札を用意しましょう。
直前になって慌てないために、事前に用意しておくことをおすすめします。

※上記は新郎新婦からみた自分の立場です。
※新郎新婦と親しいほど、また自分の年齢が上であるほど金額は高くなります。

迷った時は自分と似た立場の人にそれとなく聞いたり、友人同士で相談して決めると安心です。

金額は偶数でもよい

 昔は、「偶数は割り切れるため縁起が悪い」として慶事では奇数が基本でしたが、
現代では「2」はペアを表し二重の喜びにもつながるとされ、2万円を包むことも多くなっています。
また、末広がりで「8万円」や、キリのよい「10万円」を包むことも多く用いられています。
ただし、「死」「苦」を連想させる4と9は避けましょう。

夫婦で披露宴に出席する場合の相場

お祝いも二人分包みますが、一人3万円とする場合は偶数の「6」を避け、
奮発して7万円包むか、ご祝儀は5万円にして、別に1万円程度の品物を贈るなど工夫するとよいでしょう。

品物を用意する場合は、披露宴当日に品物を持っていくのは避け、式の一週間前までに持参するか、お祝いの手紙やメッセージを添えて贈るとよいでしょう。
また当日は何もせず、ご祝儀・品物共に式の一週間前までに持参してもよい。

子供連れで披露宴に出席する場合の相場

子供の食事代を考え、大人の3分の1から半額程度の金額をプラスするのが一般的です。
この金額の範囲でキリのよい額を包みます。

また、食事や席の必要ない乳幼児などの場合は、ご祝儀は必要ないとされていますが、子供が泣き出したり、途中席を離れる必要が出てくる可能性もありますので、気遣いとして相手が気を使わない程度に金額を上乗せしてもよいでしょう。

乳幼児同伴の場合は周囲にも気を使わせてしまうので、できれば連れて行かないのがベター。

披露宴が会費制の場合の相場

 会費がお祝いになるため、別途お祝いは不要です。
しかし、何か別にお祝いを贈りたいという場合は、相手の負担にならない程度のものを選びましょう。
会費は、受付で財布から直接出しても問題はありませんが、白封筒などに入れて渡すとスマートです。
ただし、祝儀袋に入れてしまうと金額を改めるのに手間がかかるのと、会費とは別のお祝いと勘違いされる場合もあるので、祝儀袋に入れる必要はありません。

披露宴に出席しない場合の相場

披露宴に招待されながら出席できない場合は、「お祝いの気持ち」として、出席する場合の3~5割り程度の額を包むか、その金額に見合う品を贈ります。
結婚のお祝いと欠席のお詫びの手紙を添えて式よりも前に贈るようにしましょう。

ただし、披露宴に出席予定だったのに、急な都合により欠席する場合は、席のキャンセルなどはできないので、出席した場合と同じ額を包みましょう。

祝儀袋の表書きと水引

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表書き(水引上部) 「寿」「壽」「御祝」
表書き(水引下部) 自分の名前をフルネームで書く
(連名の書き方は以下に記述有り)
水引・のし

紅白または金銀・結びきり・のしつき

祝儀袋は通常、お金を入れる「中包み(なかづつみ)」と、それを包む「上包み(うわづつみ)」の二重になっています。

上包みには「御祝」などの贈る目的と、贈る側つまり自分の名前を書き、中包みには金額と住所・名前を書きます。

品物でお祝いを贈る場合に用いる、のし紙も書く用紙が異なるだけで、上包みと同じ表書き、書き方となりますので参考にして下さい。

受け取った相手が誰からのお祝いかがひと目で分かるように自分の名前を書きます。
間違っても相手の名前を書かないように注意しましょう。

 購入した祝儀袋に中包みがついていなかった場合

もし、中包みがついてなかった場合は、半紙、もしくは白の厚手の紙などに包むか、白い無地の封筒に入れるとよいでしょう。

祝儀袋の選び方に注意

祝儀袋は金額が高いほど豪華になります。
松竹梅や鶴亀など豪華に飾ってある水引のものは5万円以上からにしましょう。
最近の売り場では、ご祝儀袋の陳列に包む金額の目安が表示してるお店もありますので、参考にするとよいでしょう。

 袱紗(ふくさ)の用意をお忘れなく

祝儀袋をむき出しで持ち歩くのはよくありません。必ず袱紗(ふくさ)に入れましょう。
当日差し出す際にも、袱紗(ふくさ)から取り出し、正面を先方に向けて両手で渡しましょう。

袱紗(ふくさ)の色は、慶事の場合は、赤やピンクなどの暖色系で、紫の場合は慶弔どちらにも使えます。

袱紗(ふくさ)がない場合は、小さめの風呂敷に包みましょう。

お祝い金を郵送する場合

直接出向いてお祝いが出来ず、お祝い金を贈る場合は、現金書留で送りましょう。
現金書留で贈る場合も、祝儀袋に入れ、表書きをしてから封筒に入れます。
封筒に入れやすいよう、表書きや水引が印刷されたのし袋を使用してもかまいません。

郵送する場合は、「本来なら直接お祝い申し上げるべきところですが~」などとお祝いの言葉とともに一筆添えるとよいでしょう。

祝儀袋・書き方のポイント

上包み

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1.  筆か筆ペンで書き、色は黒のみ。ボールペンや万年筆では書かない
2.  文字は崩さず「楷書」で書く
3.  文字の間隔は均等にあける
4.  水引上部の文字の上と、名前の下一文字分をあけるように書く
5.  名前はフルネームで書き、水引上部の表書きよりやや小さめに書く
6.  連名の場合は3名までとする

中包み

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1.  筆か筆ペンで書き、色は黒のみ。ボールペンや万年筆では書かない
2.  表中央に金額を縦に書く
3.  裏には左下方に贈る側の住所・氏名を書く

最近では、中包みは読みやすいよう、ボールペンや万年筆などで書いてもかまわないという風潮もありますが、正式にはマナー違反ですので、できるだけ筆、もしくは筆ペンで書きましょう。

市販の袋で住所欄などがある場合はそこに書きます。

また、金額を書く際には正式には以下のような「壱」や「伍」など「大字(だいじ)」を用いますが、「一」や「三」など略式の漢数字でもよいという向きもあります。

1 2 3 5 7 8 10 円 
阡 千 圓 円

※4・9は死や苦を連想させるので避ける
※千は千でも阡でもよい
※円は円でも圓でもよい

近頃では市販の祝儀袋に金額を書く欄が設けられているが、それが横書き用の場合は「30,000」でもよい。

連名で書く場合 

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ご夫婦で連名にされる場合には、まず中央に男性(夫)の姓名を書き、左に女性(妻)の名前を書きます。
子供連れで披露宴に出席し、その分も金額を上乗せしている場合、子供の名前も書く際は、女性(妻)の左に名前を書きます。

お祝いを複数人から贈る場合は、一番目上になる人が右側になるよう、水引下部・中央に書き、続いて左に順に書いていきます。
こうすると全体的に左寄りになるので、最近では全体のバランスを考え、真ん中にくる人を中央に書き、その左右に名前を入れることも増えています。

※披露宴で差し出すご祝儀については、各自一人ひとりの名前を記載しましょう。
また、お祝いを別の人に預けて渡してもらうのは失礼ですので注意しましょう。

連名が4人以上になる場合

連名で書く場合は3名までとし、それ以上増える場合は、「○○一同」などとするか、代表者の名前を中央に書き、その左に「外一同」とし、半紙など白い無地の用紙に全員の名前を書いて中に入れます。

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結婚祝いを品物で贈る場合

品物は披露宴に持参しないのがマナー

お祝いの品物を披露宴会場に持っていくのはマナー違反です。
荷物になり、先方に余計な気を使わせてしまうのでやめておきましょう。

お祝いの品物は、式の一週間前までに吉日を選んで直接届けるのが正式なマナーとされていましたが、現代では挙式準備などで忙しい先方に配慮し、宅配便などで贈ることが増えています。

宅配便でお祝いを贈る際には、お祝いの手紙を別途送るか、品物にお祝いのメッセージを添えましょう。 

先にお祝いを贈った場合、当日の受付では

お祝いとして事前に品物を贈った場合は、披露宴当日の受付では「お祝いはすませておりますので」と伝えて記帳だけにします。

のし紙の表書き 

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表書き(水引上部) 「御結婚御祝」「寿」「御祝」
表書き(水引下部) 贈り主の姓名
水引・のし 紅白もしくは金銀の結びきり・のしつき

 お祝いの品物選び・定番・人気

結婚祝いは現金が一般的ですが、品物で贈ってもかまいません。
生活に役立つ実用品や、二人の記念になるものが結婚のお祝いでは人気。

キッチン用品 新妻となる新婦あての実用品として人気
家電製品 おしゃれな家電も増えているのでお祝いとして人気
食器セット 愛情のこもった手料理を旦那さんに振る舞ってという意味でも人気
時計 新たな人生の時を刻み続ける時計は定番の贈りもの
二人の名前を入れたもの 新婚夫婦への記念となるような名入れ商品も人気
パジャマやバスローブ ペアの着心地のよい上質なものは贈りものならでは
タオル 毎日使うものながら高級なギフトタオルはもらうとうれしい定番
カタログギフト 新婚生活に必要なものを選んでもらいたいというときに人気

何を贈る場合でも、自分の趣味を押し付けず、相手に喜ばれるものを選びましょう。
親しい間柄なら相手に希望を聞いてもよいでしょう。

一人ひとりがそれぞれに贈りものをする場合、どうしても品物が重なってしまうこともあるので、なかなか買えない高価な実用品などを友人グループなどで連名で贈るのもよいでしょう。

結婚祝いの品物選び・タブー

ナイフ・包丁 「切れる」を連想させる刃物はNG
ガラス・陶器・鏡 「割れる」を連想させるものはNG
ハンカチ 「別れ」を連想させるのでNG
黒いもの 「喪」を連想させるのでNG
日本茶 弔事などで用いられることが多く「喪」を連想させるのでNG
くし(ブラシ) クシ=苦・死を連想させるのでNG
4個・9個セットのもの 4や9は「死」「苦」を連想させるのでNG

「切れる」「割れる」などのマイナスイメージを連想させる品物は、昔から結婚祝いではタブーとされてきました。

しかし、現代では、相手に喜んでもらえることを第一に考える傾向がつよく、ペアのワイングラスや、食器なども結婚祝いでは人気になっています。

また、割り切れる偶数より割り切れない奇数が喜ばれますが、「2」はペア「6」は半ダースという単位で数えることもできることから、近頃ではあまり気にしない傾向にあります。

包丁セットなども、親しい間柄で、本人が希望したのであれば贈っても問題ありません。「二人で幸せな未来を切り開いて」という前向きなメッセージを添えてもよいでしょう。

ただし、相手によっては縁起をかつぐ人もいるので、贈る際には十分な配慮が必要です。

お祝いの品を持参する際は風呂敷で包む

紙袋でも問題はありませんが、格式を重んじたり、より丁寧にお祝いをしたいと言う場合は品物を風呂敷に包んで持参するとよいでしょう。

先方に手渡す際には、風呂敷のまま渡さず、風呂敷から品物を出し、品物の正面を相手に向けて渡します。

その際に「お祝いの気持ちです、どうぞお納めください」など一言添えるとよいでしょう。

風呂敷は簡単に折りたたんで持ち帰ります。ぐちゃぐちゃのままカバンにしまったり、丸めて持ち帰ったりはせず、だらしない印象を与えないよう気をつけます。

手提げ袋で持参する場合も同じで、袋のまま相手に手渡すのは大変失礼ですので注意しましょう。

お祝いの品を宅配する場合

近頃では、忙しい先方にも配慮をして、お祝いの品を宅配で贈ることもめずらしくありません。また、遠方で伺えない場合なども宅配は大変便利なサービスとして広く利用されています。

宅配で贈る場合は、品物にお祝いのメッセージカードや手紙を添えましょう。 

品物が大きい場合は目録だけを手渡しで

冷蔵庫や大きな家具などで、品物が大きく持参できない場合は、目録だけを持参して、後日、品物を届くよう手配してもかまいません。
また、目録は挙式当日に渡してもよいでしょう。

目録の書き方

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市販の目録用紙か、奉書紙を立てに二つ折り、左右に三つ折りにして用います。
品名・数量・日付・贈り主名・相手の姓を筆か筆ペンで書き、上包みで包んで「目録」「寿」「御祝」などと表書きします。

挙式・披露宴をしない人へのお祝い

挙式や披露宴をしない場合でも、新しい人生のスタートはお祝いしたいもの。
特に、自分がお祝いを頂いていた相手の場合は、忘れずにお祝いを贈りましょう。

お祝いは現金でも品物でも構いませんが、金額の相場は、披露宴に招かれた場合の3~5割り程度とします。

自分が先にお祝いを頂いている場合には、その時頂いたお祝いと同額とする人も多いようです。

 

  【参考文献】
[最新ビジュアル版]冠婚葬祭お金とマナー大辞典:主婦の友社編
冠婚葬祭とマナーの基本事典:ザ・アール監修・成美堂出版
葬儀・法要・相続マナーと手続きのすべて:主婦の友社編
作法が身につく しきたりがわかる 冠婚葬祭マナーの便利帖:岩下宣子 (著, 監修, 監修)
三越伊勢丹の最新 儀式110番: こんなときどうする? 冠婚葬祭:三越伊勢丹ホールディングス (著)