マナーの基本事典 冠婚葬祭のすべて 

日本の行事における様々なしきたりについての疑問を解決するマナーの基本事典

出産のお祝いマナーと妊娠祝い 【お祝いは産まれてから】出産祝いを贈る時期

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出産のお祝いを贈る際に気をつけたい「時期」。
子供を授かったと報告を聞いたらすぐに贈っている方も多いのではないでしょうか?

出産祝いはその名の通り「出産」のお祝いですので必ず産まれてから贈るのがマナーです。

この記事では配慮あるお祝いができるよう知っておきたい「お祝いを贈る時期」や「出産祝いについての基本マナー」をご紹介します。

出産祝いの時期

出産のお祝いは「産まれた」と報告を受けてから贈りましょう。
無事に産まれた報告を受けて初めて出産祝いをするのがマナーです。

医療や設備など様々なことが発達している現代では、出産に対する深刻な緊張感をそれほど感じないという方も多い一歩で、万一喜べない状況になってしまった場合に先に出産のお祝いを贈る・受け取るといった状況ではお互いにその後とても複雑な心情になることもありますので、「出産のお祝い」はやはり無事に産まれ受け取る側に気持ちよく喜んでもらえる状況のもと贈るのがよいでしょう。

産後お祝いを贈るタイミングがない場合も

しかし、職場などで産休を取るために出産前に退職する場合など、産後にお祝いを贈るタイミングがないという状況の場合は先にお祝いをするということも少なからずあるようです。

そんな場合は出産祝いとしてではなく、「退職祝い」などの名目にし、これまでの勤務に対しての”慰労”として贈るのがベター。

何事もなく元気な赤ちゃんを産んでほしいという気持ちはもちろん皆さんお持ちだと思いますが、出産に関しては非常にデリケートなケースですので「何もそこまで考えすぎる必要はない」とお考えの方も「出産祝い」とはなにかということを念頭においてお祝いのタイミングを考えてみることも大人のマナー・配慮として必要なことではないでしょうか。

おめでたいことですので深刻になりすぎるのはよくありませんが、「お祝いをあげた」という自己満足にならないよう気をつけたいところです。

妊娠祝いの賛否

近頃では出産祝いより前に妊婦さんに対してお祝いをする「妊娠祝い」という言葉を耳する機会が増えました。

簡単にいえば子供を授かったこと(妊娠)を喜びお祝いするというものですが、「ベビーシャワー」といえばピンと来る方も多いかと思います。

先述までの出産祝いの配慮についての内容とは真逆の行為とも言えますが、妊娠祝いが日本でも増えてきていることも事実ですので、妊娠祝いについて贈る人・贈らない人の考えをまとめてみました。

妊娠祝いを贈る人

「ずっと不妊治療をしてきたことを知っているから妊娠のお祝いをしたい」
「大変な妊娠期に役立つものをプレゼントして妊婦さんを応援したい」
「産後にお祝いをする機会がないから妊娠祝いとしてお祝いをする」

など妊娠祝いをする方はまず「妊娠した」という目の前の事実をとにかくお祝いしたい!という「応援」や「励まし」の気持ちが強いように感じます。

妊娠中の大変さを思うからこその「妊婦さん」に対してのお祝いですね。

妊娠祝いを贈らない人

「妊娠は確かにおめでたいけど万一のことを考えると無事に産まれてから贈りたい」
「妊娠期間中に余計な気を使わせたくない」「産まれてから赤ちゃんとお母さん両方へのお祝いとして贈りたい」

など妊娠祝いを贈らない方は妊婦さん(母親)を気遣うからこそ、無事に産まれてからきちんと母子共に対してお祝いをしたいと考える方が多いようです。

妊娠祝いの時期

妊娠祝いをする方はとにかく嬉しい気持ちが先走って妊婦さんの体調や状況を見失わないよう「安定期に入ってから」にしましょう。

これも出産祝いは産まれてからという考えと同じで、安定期に入って落ち着いている頃にお祝いをするのがせめてものマナーといえるでしょう。

当の本人の状況を考えず「お祝いをしたい!」とだけ考えて行動してしまうのでは、それこそ自己満足になりかねませんので配慮ある妊娠祝いを心がけましょう。

もちろん贈る品は本人のリクエストがあれば別ですが「妊婦さんに役立つもの」が基本です。

妊娠祝いについては「する・しない」はどちらが正しいということはありませんが、アメリカのベビーシャワーが発端と考えるといかにも現代人らしくオープンな催しともいえますが、大切なのは妊婦さんへの配慮ですのでくれぐれも押し付けにならないように気をつけましょう。

中には妊娠期間中はそっとしておいてほしいと考える妊婦さんもいるかも知れないので流行りだからと無理せず相手の心境も見極めたいところですね。

筆者は産まれてからお祝いに一票

妊娠祝いや産まれる前の出産祝いなど様々なお祝いシーンがありますが、やはり私は「出産祝いは産まれてから」という考えが揺るぎません。

なぜならお祝いや内祝いをはじめ日本の古くからある贈答文化には、言葉や形では表すことができない謙虚さや思慮など「心遣い」があるからこそ成り立つものだと考えるからです。

出産のお祝いに関しても、はじめから不吉なことを考えているわけではないですが、お互いに悲しい思いをすることなくお祝いをお祝いとしておめでたい形のまま思い出にも形にも残せるよう自然とそういう配慮ができるのが大人とて大切なことだと思っています。

形式的に貰ったから返すというだけではなく贈答品一つで相手の心遣いを感じたり、こちらの想いを伝えられるのは素敵だと想いませんか?

出産祝いも妊娠祝いも適切なタイミングはそれぞれ異なると思いますが、何を贈るかではなく、「なぜ贈るのか」ということを考え素敵なお祝いにしたいですね。