マナーの基本事典 冠婚葬祭のすべて 

日本の行事における様々なしきたりについての疑問を解決するマナーの基本事典

このブログとマナーについて

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世間では驚くほどのマナー本やマナー講座があり、それに伴いマナー講師を名乗る方の数ときたら上げればキリがありません。

そもそも「マナー」ってなんなの?と思う方もいるでしょう。

私もその一人でした。会社に勤めているときは接客もするのでマナー講師の方を招いて講習を受けたりもしました。

でも、マナー講師として来られる方の好感度のなさときたらびっくりでした。

やたら張り切ってて型にハマりすぎてて人間味がないというか、とにかく好感がまったくもてない。

テレビでもよく見かけるマナー講師的な人たちもしかり、どこか威圧的で「私が正解!」と言わんばかりの他者やその場の空気は無視したような妙な雰囲気が苦手でした。

マナーってそもそも相手に不愉快な思いをさせないため、その場の空気や事を円滑に進めるための一つの手段に過ぎないと思っていたのになぁ。

私もこのブログでギフト業界にいたときの経験から、贈答に関する一般的なマナーについて書かせて頂いていますが、あくまで迷ったときの道標と考えており、ギフトアドバイザーとして活動する際も過去に出会ったマナー講師のようにはなるまい!と思ったものです。

マナー本などに書かれているマナーの多くはそこまでする必要あるの?というものや「さすがにそれはないわ」っていうものまであります。

例えば訪問マナーでよくある

「靴は脱いだら相手にお尻をむけずに屈んで揃える」

正直、家に招くほどの相手なら玄関先でモタモタせず「さっさと上がってほしいな」と思います。

それに大抵の人は「靴を揃える」という行為をしてくれただけでお尻を向けただの揃えるときの姿勢が悪いだの気にしません。

「コートは訪問先やお店に入る前に脱いでおく」

これも時と場合によります。中で脱ぎ着してホコリ等が舞うことを避けるための配慮ではあると思いますが、雨が降っていたりしてさらに屋根がない場合はどうでしょう。

脱いでいる間に濡れてしまい見えないホコリよりタチが悪いです。

「雨の日の訪問時は訪問前に近くのコンビニなどで新しいソックスに履き替える」

履き替えなきゃいけないほどのヒドイ雨なら、履き替えたあと訪問先に行くまでにどうせまた濡れます。

「手土産を渡すときにつまらないものですがと言ってはいけない」

はい、言葉狩りです。

つまらないものですがと言って手土産などを渡したところで本当に「つまらないもの」を渡すわけでも、「つまらない物を寄越しやがって」などと受け取る人はいません。

ただ単に、へりくだった謙遜したやわらかな言い回しです。罪はありません。

特に人の行動におけるマナーの多いこと。うかつに人の家にもいけません。

ご飯のおかわり一口残す?

和食のマナーでご飯をおかわりする時は「茶碗に一口分ご飯を残しておく」ということを聞いたことはないでしょうか。

これには一口残すことでまだ食事中であることを表し「つなぎ」の役目をしているということで、あえて一口残すことで「おかわりしたい」と匂わせ、「おかわりください!!」と声を出さなくていいのです。

子供の頃は「ちゃんと全部食べてからおかわりしなさい!」って怒られましたが正式な和食のマナーは一口残すこと。

一口残すご飯はおかわりの「合図」なので格式高い和食店でおかわりしたいけど恥ずかしくて言えない人は一口残して様子を見るのもいいでしょう。

ただ、気づいてもらえない可能性もありますが。

茶碗にご飯を残し「つなぐ」ことで相手との縁が切れていないことを表すのだという説もあります。

このように日本のマナーには縁起担ぎのような理由付けも実に多くあります。

マナー=常識と捉える必要はありません。

時代や環境によってその時「良し」とされるものは変化していきます。

特に先の訪問マナーなど目に見えないものに至っては正解なんてないのかもしれません。

相手が不快な思いをしなければ「つまらないもの」を渡してもいいですし、コートも部屋の中で脱いでいいのです。

ただ相手がどう捉えるかがわからないから無難な行動をしておく。その無難な行動こそマナーではないでしょうか。

古くからある習慣を教え伝えるものでありたい。

むしろそれ以上の押しつけはいらない。と思いますので、取り入れ可能なことだけやってみればいいのです。

当ブログでは贈答に関するのしの書き方や贈る目的で異なる品物選びの基本などを書いていますが、贈答のマナーについても時代とともにずいぶんと変化していることの一つです。

例えば「熨斗(のし)」。古くは本物のアワビを干して伸ばしたものを用いていましたが、現在では印刷された「のし紙」と言われるものを使うのが一般的です。

のし紙に水引も印刷されていますが、最近では水引すら印刷されていないおしゃれなデザインのものまでのし紙として出てきています。

時代とともに必要とされるものや相手が望むものなども変化してきており、快気祝いだから洗剤とか仏事だからお茶とかそんなことも言われていましたが、ひっくるめて今ではカタログギフトがどんな贈答シーンでも利用されています。

物は好みに左右されるから「このときは洗剤じゃなきゃ」なんて自分も相手も望んでないものを贈っても仕方ありません。

のし紙を用いる際の基本知識、何にしようか迷った時などの参考にしていただければ幸いです。

---こういう記事を書いています---

 

www.giftmanner.info