マナーの基本事典 冠婚葬祭のすべて 

日本の行事における様々なしきたりについての疑問を解決するマナーの基本事典

【結婚内祝について徹底解説】熨斗(のし)の書き方から人気の品物選びまで~結婚の内祝いは時期や金額に決まりはあるの?商品券を贈るのはマナー違反?

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結婚のお祝いを頂いたら「内祝い」としてお返しをされるかと思いますが

時期や金額の相場などに悩む方も多いと伺いますので

この記事では結婚内祝いについて知っておきたい基礎知識をまとめてみました。

内祝いの相場や贈る時期をはじめ、熨斗(のし)の書き方や品物選びの疑問まで

徹底解説スタートです!

内祝い(お返し)の時期

内祝いの目安としてはお祝いを頂いてから「一ヶ月以内」とされており、結婚内祝いの場合も遅くても挙式後一ヶ月以内に贈るのがよいとされています。

また式は挙げていないけどお祝いを頂いたという場合でも入籍後一ヶ月以内には贈るようにするとよいでしょう。

しかしよほど遅れてしまう事情がない限りお祝いを頂いてから一週間から10日前後にお返しの準備をされる方が多いようです。

内祝いとは?

今では内祝いといえばお返しの意味で広く知られていますが、内祝は本来「内のお祝い」つまり、我が家にめでたい事があったのでお披露目も兼ねての報告などに用いる「お福分け」の意味があります。

相手からお祝いを頂いてなくても内祝いとして喜びを周囲と分かち合っていたんですね。

しかし昨今ではこういった内祝いの風習は少なくなり、内祝い=お返しという認識が一般化しています。

金額の相場

結婚などの用途に関係なくお返しの相場は頂いた額の3分の1から半額程度が基本とされています。

ほとんどの方は半額を目安にお返しの品物選びをされることが多いのではないでしょうか。

お祝いをされる方の中には「役立ててほしい」という思いからお返し不要とおっしゃる方へのお礼や、学生結婚などで金銭的な事情がある場合には半額とまではいかなくても3分の1ほどのお返しをすることもあります。

一度の内祝いでお礼をしきれなかった場合でも、新婚旅行のお土産や中元や歳暮など季節ごとの挨拶、また近況を知らせ日頃の感謝を伝える機会はあります。

披露宴のご祝儀にも内祝いは必要?

基本的には披露宴に招待した方には内祝いはしなくてもよいとされています。

それは披露宴での料理や引出物などのもてなしがご祝儀へのお返しになると考えるからです。

しかし、予想より高額のご祝儀を頂いた場合やそれとは別にお祝いを頂いた場合などは改めて内祝いとしてお礼をされるケースが多くあります。

のしの書き方

のしの表書きは「結婚内祝」または「内祝」とし、結婚した当人たちの氏名、または苗字のみを書きます。

のしに書く名前は必ずしも夫婦揃って書かないといけないということはありません。

しかし、結婚内祝いは結婚後に贈るものですので女性の名前だけで贈る場合などでは必ず新姓を書くようにします。

また、結婚内祝いはご夫婦二人に対してのお祝いとされる一方で、夫だけの交友関係や妻だけの交友関係でいただく場合もあります。

もし、連盟でお返しをするのは避けたいけど自分ひとりだけの名前をのしに書くのは抵抗があるという場合は苗字だけの記載で構いません。

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結婚内祝いを私(妻)の名前だけで贈るのはマナー違反?

女性側だけが個人的に知人から頂いたお祝いの場合などでは夫婦連名でお返しをするか悩むという方もいらっしゃるようです。

女性の名前だけで贈ることがマナー違反ということはありませんし、特に決まりはありませんがこう考えてみてはいかがでしょうか?

夫婦のどちらかが個人的に頂いたお祝いでも結婚に対するお祝いと考えるとお返しを夫婦連名にすることは何もおかしなことではありませんし、内祝い本来のお披露目という意味をとっても、のしには夫婦連名で名前を書き伴侶の紹介とするのもいいでしょう。

また女性の場合は結婚を機に苗字が変わるケースが多いですのでそのお知らせという役割も果たします。

内祝いを宅配する場合で新姓だと受け取りの際に相手に誰からの荷物か分かってもらえないのではと不安な場合は、のしには新姓で名前を書きますが、荷物につける発送用の送り状伝票には旧姓で氏名を書くか、「佐藤花子(旧姓 山田)などと書いて受け取り手が困らないよう配慮してもいいでしょう。

しかし仕事関係など特にプライベートでのお付き合いがなく、伴侶との面識もないという方から頂いたお祝いへのお返しではあえて夫婦連名にはせず、のしには苗字(新姓)のみの記載とされるケースもあります。

親がお返しをする場合

親のお付き合いの中で頂いたお祝いで子供にかわって内祝いをする場合でも、のしの表書きは子供の名前、もしくは子供夫婦の連盟で返します。

内祝いの品を郵送する場合は、荷物を贈るための宛名伝票(送り状)の差出人はお祝いを受け取った親の名前にしておくと先方も受け取りやすいでしょう。

もし可能であれば礼状も添えて贈るとよいでしょう。

贈答のタブーは?

贈答の基本的なマナーとして言われているのは「縁が切れる」「断ち切る」「踏みつける」などの事柄を連想させる品物は避けたほうがよいとされています。

例として切ることを目的とした「包丁」、涙を拭く「ハンカチ」、足元に敷く「マット類」などが当てはまります。

内祝いではこういった品物を贈ることは少ないかと思いますが、昨今では特にお祝いを贈る場合に相手からのリクエストがあればこういったタブーとされる品を贈ることも増えており、必ずしもマナー違反とは言えません。

また結婚に関する事柄では2などの偶数は割り切れる=「別れる」と関連付け避けるべきとされていましたが、2はペアや番(つがい)を連想させるからとペアのワイングラスや食器なども昨今では広く贈られるようになっています。

結婚の内祝いでは何が定番?

内祝いでは記念品として永く使え実用性のある「今治タオル」や、相手の好きなものを選んでもらえる「カタログギフト」などの利用が近年目立ってきているようです。

筆者も親族や友人からの内祝いでカタログギフト率が増えたなぁと感じていましたが、まわりでお祝いごとなどが続くと、まだ先にいただいたカタログギフトの商品を交換していないのにまた別の内祝いでカタログギフトが届くなんてこともあり、たまにお菓子の詰め合わせや今治タオルだとホッとすることがあるくらいでした。

贈答のタブーや相手の好みを気にすることなく贈れるカタログギフトは品物選びの苦労を軽減してくれる非常に便利なものでもあるので内祝いで利用する方も多いのではないでしょうか。

一昔前では鰹節や昆布などがおめでたい内祝いの定番とされていましたが最近ではあまり見かけなくなりました。

今治タオルなどのメインの品物に鰹節などを添えたりする場合もあります。

内祝いに商品券はだめ?

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厳密には商品券を贈ることがマナー違反ということはありません。

もっといえば内祝いには「これを贈るべき」なんていう決まりもないのです。

商品券をお返しとして内祝いに贈る方も近年増えているように思いますし、不要なものを贈ってしまうよりは役立ててもらいやすい商品券のほうが相手も困らないであろうと考える方も多く、便利で合理的な贈り物として内祝いでも人気です。

しかし、便利な一方でこういうマイナスな意見もあります。

「金額が明確になる商品券では生々しい」というものです。

お祝いをおくる方からすれば「役立ててほしい」という気持ちもあるでしょうからお金と変わらない商品券では逆に失礼にならないかと懸念される方もいらっしゃいます。

特に目上の方に内祝いを贈る場合には突き返したような印象を避けるためにも品物にしておくと無難かと思います。

昨今では内祝いを宅配で送ることが当たり前になってきていますので、商品券と品物を相手によって送り分けしてもいいでしょう。